D進を決意した秋

師走に入り、今年もいよいよ暮れに向かおうする頃合いでしょうか。

目まぐるしく目標を追い、自分への理解を深めた今年1年の総集として、また
十数年先まで、今の楽しいを維持or増大させるための思案として。
12月はポエム月間として、考えを積極的に表明したり、書き出すことで思考を深めるきっかけにしようと思います。
(賛同の声も批判の声も大歓迎です)




B4の頃から悩んで、就職を真剣に検討していた時期もありましたが、さまざまな経験を経て
今年9月末頃に博士進学を決意しました

なぜそんなに熱意を持って?と周囲に疑問を持たれることも多いので、大義的な話からその理由を語ることや、
また、私の性格上、お金や買い物旅行大好きみたいなところがあるのに、就職するより愕然と収入が得にくいような道を選んだ理由、
(性差がどうこうとかあまり言いたくないが)女性だからこそ悩んだ点を、どう理由づけて結論したのか
など・・・(D進仲間を増やしたい意図もありつつ、)自分語りをしたいと思います。


①博士進学のモチベーション

拡張現実が日常に浸透した世界を創ることが夢で、その手段としてD進を選びました。
この大義的な理由を元に、企業がいいか大学がいいか天秤に載せて考えた結果です。

企業もお金こそあるものの、1つのプロジェクトにかけられるお金や時間は大学の方が圧倒的に多いと感じました。
企業はビジネスに繋げられるかの点を重視し、結果としてほかの類似のARに落ち着いてしまう印象を受けました。
同時に大義的にARをやる土壌が足りなかったという印象も受けました。
それはXR領域が確固たる分野なっていないがゆえで、特に企業に限った話でもなく研究でもあり得ることと感じます
(流行りのVR/ARの派生のようなHCIシステムを見なくもない)。

企業(少なくとも国内企業)では、大義的な裏付けが弱く、ゲームなどのエンターテイメントの派生物が得意でそれ以外は…な印象を受けて、教育や芸術、身体拡張・行動補助など社会的な意義に根本からアプローチできる気がしませんでした。
大学・アカデミアには、大義的に捉えて推進力を持ってやっている先生方がいますし、周りの学生もそれを頑張ろうとする気概の持ち主が多く、この場所なら自分も頑張れる気がしました。

また、当たり前ですが研究がとても好きで、思考法が肌に合っていると感じます。

エンジニアはニーズに合ったアイディアを「非常に高いレベルで」実装する必要があり、完成を一心に目指し、ユーザーのフィードバックと共に達成感が大きいと思いますが、意外ときちんとしたモノにできるまで時間がかかると感じました。
研究は息の長いイメージはありますが、考えもよらないような超未来的なモノを半年~数年で実装し、世間に身近にさせる最初の手綱を引けるという点で、意外とアプローチのスパンが短いかなと思います。

自分は単に実装だけを楽しめるタイプではなく、文化芸術面において工学の恩恵を還元することが大義と思っているため、
研究の流れ=「社会的還元性を見据えて十二分に発想→技術的困難を乗り越え実装→一連を論文にまとめる」が心地よく感じました。

以上の理由により、自分には博士進学がベストな選択だと思うようになりました。

他に小さなことで言うと
・大きな組織で動くのが苦手(隠れコミュ障からか、理不尽な環境で望まないものを制作する流れになってしまうと、酷く気を遣って疲れます)
 →少数精鋭で頑張る研究室は気が楽
・博士号は立派な資格→即戦力採用されやすく、生きやすくなるだろう
 (ただARを自分勝手に考えているだけでは絶対ダメで、どう社会に落とし込むかまで思考・実装できる力も必要)
・単純に東大の人・東大のVR界隈が好きで、異常なほど居心地がいいから
 (計数の先生を中心に、この界隈の人たちと情報を共有し合い、ディスカッションする時間は心から大好きです)
などがあります。


②女性として博士進学を選ぶこと

博士課程はストレートに進んでも27歳で卒業・ようやく脱学生。
学生結婚する人も少数いるものの、だいたいは卒業後に人生の駒を進めることになります。
要するに婚期が遅れることがかなりの懸念点です。

男性なら、多少年齢がいっててもスペックが高ければ引く手あまたみたいなところがある一方(※)で、
女性は見た目の若さや綺麗さの問題で、年齢による賞味期限が早いイメージがあります。
以前博士進学する女性は一般に男性に引かれると言われることもありました。
男性も女性から博士号取得の価値を理解されず困る…という話を聞くこともありますが、恐らくですが女性の方が良いイメージを持ってもらえないことが多いのではないでしょうか。

また、女性は年齢がいくほど子供が授かりにくくなる(35歳を超えると難しいなど)と言われているので、将来的に子供を望む限りは晩婚にメリットはないです。

ここに憂いの念が絶えず、博士進学に全体的にネガティブイメージを持っていた時期もありました。

ただまず、制度面で男女共同参画推進、ないし女性優遇の動きはあります。
育児支援などの制度は整えられ始めている(2016年 東大の男女共同参画室が取り組み予定のもの)し、http://www.todaishimbun.org/female_researcher20180803/
学振の制度も整えられていて、仮に出産して在籍期間が延びた場合も給付を延ばせるなど、制度面は福利厚生の良い企業と変わらないと感じます。
研究は裁量性で自由な時間を持てるので、家事育児との両立で負担にはなりにくいとの話も伺いました。
(自分は東大OGの会「さつき会」でこの件に関し、獣医と数理の博士号取得の女性の方にお尋ねしました)

また、制度云々を考慮に入れたり,憂いを抱いたりしたとしても
結局は自分が何をしたいかに依存する話だと思います。(1年半でこの悟りを開きました)

卒業が24歳と27歳で差は大きいといえど、「柔軟に考えれば」実は3年の違いだと思います。
強めに言ってしまうと、「27」という数値へのイメージの悪さ(めっちゃアラサーやん…みたいな)が敬遠の原因になっているのではないか。
27歳で卒業しても、35歳まで、引き算すると8年あります
まず、物理的に考えて、結婚や出産が不利になる年齢ではないと私は考えます。

しかし、社会的に考えると、30くらいまでには結婚したい感じはあります。
ここは1年半考えた結果ですが、自分がどっちが一番ありのままでいられる生き方かに依存すると結論を出しました。
研究が面白い、突飛な能力を持つ研究者コミュニティに居るのが一番楽しい、そして他の場ではそれを超えられないと思った以上は、それが自分の価値観です
仮にそこを屈してまで人生の駒を進めやすい方向に進んだとしても、ストレスに感じる部分が出てくると自分は感じました。
また生き生きと居られる場で自分に好感を持ってくれる人が多分一番よくて、結局のところリターンが最も大きい道だと思います。(また図々しいですが、どのみち女性が少ない環境なのでそこまで不利ではないかと捉えた面もあります。。。)

1年半の研究・就労体験に基づく結論なので、個々人に依存する結論だと思います。
あくまで私の選んだ道ですが、女性だからといって婚期がどうこうの古い考え方に振り回されないことが大事だし、自身が最良と思える選択が、周囲をも一番幸せにできるはずです。


③ワークアズライフの実現

博士課程は自分に随一の専門性を磨く期間だと認識しています(自分の名前を名刺代わりにする、ネームバリューを増すフェーズだと語る人もいます)。
それは大学の研究機関としての安定性に支えられたものであり、自身の努力と組織の特異性を以て、相乗的に強くなれる場所だと思います。

国立大学法人だからというのもあり、短期成果ではなく長いスパンで遂行されます(予算も2~3年スパンなど)。
そうなると、先述のように、1つのプロジェクトにかけられる時間とお金は大きく,恐らく前触れなく変動することは殆ど無いです。
そういった場だと、まず研究に非常に集中できます。
研究が好きな人なら、そういった場は非常に楽しいです(ワークアズライフ ポイントその1)。

対して企業は、ビジネスありきなので、
上手くいっているときは良いが、あるきっかけで株価が急降下した場合は、研究(開発)はビジネスに近いものを強いられ、仕事が面白くなくなる可能性があります。
上手くいっていても、そのブランド力を維持するために全能さor過度な就労を求められ、最初から前者になれるなら良いですが、私のような凡人だと後者に当てはまってしまうので、非常につらくなると思います。

そして結果として、安定して研究成果を上げ続けられる研究機関でないとできないことを持ち掛けられる場面が生じます。
つまり、他の人や組織が、博士号の肩書がある自分の専門性を必要としてくれるということです。
必要とされて自分の好きなことができる可能性が高くなるということです(ワークアズライフ ポイントその2)
それは大学の研究機関にいなくとも、企業に即戦力採用されやすいという点にも繋がります(ワークアズライフ ポイントその2-1)

給与が多い職に就けるかは別ですが、時間や精神を犠牲にする可能性の高い道でこじつけの報酬を得るのではなく、
ありのままで楽しくて自然に収入が生まれ、正のループが生まれるのというワークアズライフが自分には一番幸せに思えました
(ただ、周りの仲良しの研究者らにそう洗脳された面もあるかもしれません。。)


④さいごに

大義を掲げたがゆえ,暫くは研究の道に身を置きたいと考えるようになりましたが、
ひとえに研究に関わる周囲の環境が居心地よく、思い思いにさせていただいているゆえであります。
研究室メンバーや界隈の同期・同志のおかげです。いつもありがとうございます。

また大義を掲げたところで自由気ままなARをやっていても、のちのち自分の首を絞めそうなので、ビジネス的な展望も交えて博士でのテーマを考えておかねばという気持ちでいます。

ご意見ご感想あればなんでもくださいませ。