CEDEC2018に参加してきた

現在メ社のサマーインターンシップに参加しており,その待遇で
2018/8/22~24 3日間の CEDEC2018 @パシフィコ横浜 に参加してきました.
(公式サイト:CEDEC2018)

CEDECは,簡単に言えば「ゲームorVRエンジニアの祭典」といったところでしょうか.

大きく分けて展示と講演の2種類があります.

展示では自分の苦手な 2次元美少女のゲームやツールの開発物をお披露目していたり,
最新のHMDの体験会をやっていたり,VR/MRデバイスを活用例ないしアプリケーションを公開していたりなど.
大学の研究内容でデモを展示している方もいらっしゃいました.

講演では殆どの時間で,並列して10~15種類に及ぶ講演(1回30~60分)があります.
例外は1,3日目の朝の基調講演という,非常にお偉い方(今回は,1日目が任天堂宮本茂さん,3日目が「インターネットの父」とも呼ばれる慶應の教授 村井純先生)の講演で,こちらは80分.

今回は,とりわけ面白かった講演や展示を紹介していこうかなと思います.
ただし,どの企業さんも基本的に書き起こし禁止なので細かくは話しません.

Microsoft Azure最新情報Part2 「オトギフロンティア」の少人数開発秘話を支えるサーバーレスアーキテクチャ

普段開発する上で,我々はソフトウェアの箇所(アプリケーション開発)だけでなく,より低レイヤーな箇所も気を遣わなきゃいけないのが非常に面倒で,頭を悩ませるところです.OSとかGPUとか.
開発速度が落ちてしまうのも,実践的な開発には非常に難ありです.
(学生の自由な開発だと,回り道して勉強する楽しさもあるので,あまり気にならないところではあったのですけどね.最適なものにカスタマイズするのも醍醐味の一つだし…)
そこでAzure Functionsというサーバーレスアーキテクチャにより,アプリまで環境が整えられてて,
我々がやるべきはイベントトリガーで実行する関数を作るだけとなり,非常に開発がシンプルになるというお話です.

オトギフロンティアの実例だと,社員6人全員がソフトウェア開発だけに集中できるし,サーバーエンジニアが不要になったという話に衝撃を受けました.
ちょまどさんも登壇されてて(初観測!しかも登壇時以外は自分の2つ隣にずっと座っててふぉ~ってなった),AzureFunctionsでGoogleHomeを使った筋肉ボイス変換アプリを作ったとお話されてました.制作期間も短く,確かに有用そうなツール.1回は触れてみたい.

ただ,処理をするたびにクラウドGPUに投げて,戻ってきたものをさらに別のサーバーに投げて…を繰り返すと実行速度が遅く感じられるので,作るものに必要なツールの数などの相性もあるのかなと思いました.

■ただのブルブルでは終わらせない ゲーム体験を拡張する触覚デザインのアプローチとサウンドデザインとの親和性

自分の出身学科の大先輩・南澤孝太先生がご登壇されるとのことで,注目すべき講演の一つでした.
触覚が非常に重要なのはなぜか?→人は感覚を入力→運動を出力 というシステムなので,感覚という入力を変えることで運動が変わるのではと考えたから.
サザランドのメディアの進歩に関する予測は殆ど当たっている.(この話,inm先生からも非常によく聞くやつで,あぁ計数の卒業生だ…と非常に感じられた,など)
触覚色原理:力,振動,温度
昔はかなーり真面目に触覚を再現しようとしていたが,人の知覚は結構アバウトで騙しやすいので,必要最小の入力表現でよい,というのが現行の主流な考えだそう.

などなど…ほかにもいろいろありますが,アカデミックに欲しい知識が30分という講演時間内に凝縮されていて,非常にオイシイ講演でして.
南澤先生自身も非常に楽しそうにお話されていて,この分野への有り余る熱意が伝わってくるような講演で,非常に感動しました.

■Webプロトコル最前線

Yahoo, GREEの方がお話されていました.
この辺の仕事をずっと続けてこられているようなスペシャリストの方々の講演なので,非常にわかりやすく内容がスッと頭に入るし,
たった1時間で知りたいことがぎゅぎゅっと凝縮されてるタイプのもので,本当にありがたい講演でした.

前半のYahooの大津さんでは,これまでのWebプロトコルの経歴をお話されていました(HTTP,HTTPS,TLS1.3に至るまで). HTTP系の概要は割愛します.
HTTPSの導入は現在非常に推奨されていて,導入率はアメリカが1位で8割,日本は7割弱で世界10位.
TLS1.3では平文箇所を最小限にし,よりセキュアに.また速度向上のため,UDPベースらしいです(え~~!!!と驚きました)

後半のGREEの後藤さんはTLS1.3のハンドシェイクがもう実際的に使われ始めていることや,
毎月10~20件程度,各種プロトコルの仕様変更があるそうで,現行微妙とされる機能の改修アイディアとしてそれらが提案されており,
特に真新しいものの紹介をされていました.

PlayStationと教育

SONYの方とLife is Tech!のCTO橋本さん(東大工学部出身ということで,親近感)による講演でした.
自分は実応用に向けた最新デバイスの活用に非常に興味があり,中でも教育は自身の趣向に合致するものの一つなので,非常に興味深く聞かせていただきました.

Life is Techさんの事業内容はFaceBookや他の方からのお話で度々お伺いしていましたが,具体的に戦略方法を聞かせていただいたこと また中高生への取り組み方として効果的なものもお聞きして,自身が実際にその年齢だった時に絶対効果的だったろうなと思いながら聞いていました.

やることが仕事であるが学業であるかで,取り組むためのモチベーションの起点って違うと思うんです.
前者は収入という下心だったり,取り組みが社会に効果をもたらしている様子が目に見えて分かる面白さがあり,それ自体がゲームに近い快楽がある(と個人的には思う)が,
後者は学問に対するピュアな好奇心が最もいいモチベーションで,それがAlways稼働してることはあり得ないので,
「ここまでやったらご褒美」というようにゲーム性を持たせることが大事だということを,久しぶりに思い出しました.

一度前者に傾倒してしまうと,後者の気持ちを忘れてしまうんです.
エンジニア的には,この精神を忘れて,大人の考えで戦略できるかと思ったら大間違いだとぶち当たるときがいつか来ると思います. どうやったら子供に効果的かを考えたいときに,ここでお聞きした内容をヒントにしたいなと思います.

□手を使わずに遊ぶVRゲーム リアルな浮遊体験

GREEの方が趣味!?で開発された,ブランコ(←ハンモックを改造)に乗って,足の動きをインプットとして遊ぶゲームでした.
ブランコに乗り,HMDをかぶり,バタ足で浮く(これがHMDの効果で本当に空を飛んでるかのような気分になれる!),
足のキックで缶蹴りみたくシューティングゲームをする,など.
単純なゲームなはずなのに,足まで使うと全身での体験となるし,浮遊体験がマジっぽいため,非常にのめり込んでしまうゲームで大変面白かったです!!
キックとかバタ足とか,下半身の運動・ダイエット💛にもなるのでぜひとも商品化されたい.笑

などなど,非常に有用な話が多く,楽しいイベントでした.
他にも3次元計測など,基本的には学術的な内容に心を掴まれて講演を聞きまわっておりましたが,
学術的な新しさではなく,人にウケるコンテンツだとまた発想の起点が異なることも,改めて痛感させられました.
作り手だけが楽しいような開発にはならないように工夫したいとも思ったりなど.

CEDEC余談:効率的な回り方

  • 1日目は非常に人が多く,9:45~からの基調講演が9時に並んでメインホールに入れるギリギリ,といったほどでした.
  • 聞くところによると,銀行振込が遅いとパス運送ミスがあり,当日長蛇の列に並んでパスを受け取らねばならないし,早く来たのに基調講演が聞けないという涙ホロリな結末になってしまうそうなので,多分振込は早い方がいいです.
  • Unity社提供のくつろぎスペース「雲丹亭」では,畳部屋でちゃぶ台あり,駄菓子あり,胡坐掻いてゲームできるスペースありなど,非常に居心地よかったです.
  • 各種講演は人気のものは20~30分前までに列に並ばないと立ち見になります.
  • お昼は買っておいたほうがいいです.雲丹亭でもお昼におにぎりの提供がある(スゴイ)けど,すぐに掃けます.外で食べるにしても混雑していて,午後イチの講演を逃がします(筆者も1日目午後イチ聞けなくて泣いた)
  • 自分の家からみなとみらいまでが地獄のように遠かったので,次もまたみなとみらいで参加するときは宿泊して参戦しようと思います…